1人の日本語教師が見る曽野綾子発言の問題点
曽野綾子氏が産経新聞のコラムで書いた「アパルトヘイト(人種隔離)許容発言」が物議を醸している。原文は下記のリンクで読める。
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前半は、介護分野における労働移民について「資格や語学力といった分野のバリアを取り除く」ことが主張されており、後半で「居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」と記されている。
特に問題視されているのは後段で、南アフリカのヨハネスブルグのマンションに黒人が住むようになったら水が出なくなったというたった一つの、しかも出所不明・真偽不明なエピソードをもとに、「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」と述べている。
私は前段にも後段にも反対である。特に、曽野氏の最大の問題は、差別か区別かというところではなく、「文化的背景で区別された人たちは相互理解・共生することができない」と考えているところにあるのではないか、というのが今回の結論である。その理由を以下に述べる。ただし、私の発言は日本語教師を代表してというわけではないので、その点はご了承いただきたい。
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