違いのわかる日本語――日本語教師の日本語メモ

日本語学校で教えている日本語教師の備忘的メモです。学術的な正確さは保証の限りではありません。このブログの記載は、勤務先の日本語学校の見解ではありません。随時修正・追記します。

「イ形容詞+です」問題 - 校正ツールEnnoのチェック内容から

開設から間もなく、アクセスもほぼゼロだったこのブログに、昨日、いきなり一万を超えるアクセスがあってびっくりした。前回のメモがはてなブックマークで注目されてしまったようだ。

LINE乗っ取り犯の「整理日本語言.txt」に見る「母語の干渉」 - 違いのわかる日本語――日本語教師の日本語メモ

さて、今回は少し前に話題になっていた「校正ツール」に関連して、「イ形容詞+です」問題を扱ってみたい。

ブロガー必見の文章校正ツール『Enno』が思った以上に便利だった! - 数学は中二で卒業しました

このEnnoという校正ツールが「必見」かどうか、などは別にして、私が興味を持ったのは、そのチェック内容の例である。画像を上記ブログから引用させていただく。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/nurahikaru/20140818/20140818083104.jpg

文章が「(過去または現在の)形容詞+です」で終わると、子どもに話しかけるときのような、あるいは小学生の読書感想文のようなつたない感じになることがよくあります。あからさまな間違いではありませんが、可能であれば他の形に書き直してみてはいかがでしょうか。

いわゆる「イ形容詞+です」問題である。日本語教育の現場では、初級テキストの初めの方に堂々と「今日は寒いです」という形が出てくる。これについて少々。

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